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不定期連載小説『写真で一言』第2話

不定期更新小説

『写真で一言』

第2話 嘘







散々悩んだ挙句、楠田が『さぼテン』さんに名乗ったのは・・・


「と、取鳥の左です・・・」



理由なんて特に無かった。

この時、最初に楠田に働いた思考は、

“自分が『レッドぶるぶる』だというのは隠すこと”

そして、

“自分と同じ島根県の職人さんって誰がいたっけ?”

この2点のみだった。そして咄嗟に思いついたのがたまたま

『取鳥の左です』さんだっただけだ。



だが、口に出したおよそ2秒後、激しく後悔した。

自分がお下劣職人だという事を隠したいのに、その為の偽名で

お下劣職人の名前を名乗ったのでは意味が無い。


どうしよう・・・やっぱり訂正しようか・・・

と、考え始めた時にはもう、『さぼテン』さんの反応が返ってきた。



「うわぁ!取鳥さんなんですか!?超有名な職人さんじゃないですか!」


予想外に好反応が返ってきて驚いた。

その表情にも嫌悪感らしきものは見受けられない。


「アノ取鳥さんですよね?お下劣が多めの?」

「あはは・・・はい、僕がアノ取鳥です・・・」


意外にも『さぼテン』さんはお下劣に抵抗が無い人だったのか?

だったら最初から『レッドぶるぶる』と名乗れば良かったのか?

とりあえず悪い印象では無いようで、ホッとした楠田であった。






2週間ほどが過ぎた。


あの日、携帯の番号とメアドを交換し、時々連絡を取り合っている。

まだ恋人同士と言うよりは、ただの世間話程度のメールくらいだが。

だが、こうして普通に会話をするようになって気づいた事もある。



彼女はお下劣に抵抗が無いわけでは無いようで、

むしろそんなに得意では無い。

ただし、面白いお下劣ボケはそれはそれとして認めているらしい。


なので『取鳥の左です』さんはお下劣職人ではあったが、まず第一に

自分より先輩職人さんであったという事、『ボケて』の中においては

かなり名前の知られている職人さんだったという事、そして、時々

「お下劣だけど本当に面白い」と思わせられるボケを投稿する

職人さんであるという事で、彼女は嫌悪感は抱かなかったようである。



つまり、その条件に該当しない『レッドぶるぶる』と名乗っていた場合

今とは全く違う反応をされていたかもしれないのだ。

そう考えると、正直に名乗っていた場合の事を想像し、ゾッとする。

とは言え、罪悪感はある。

いつまでも嘘をついていていいはずが無い。

何より、本当の自分を隠している時点で健全な付き合いとは言えない。



あの嘘の自己紹介から2週間。

明日こそ言おうと思い続けて結局、ずるずると時間だけが経過していく。



ふと部屋の時計を見る。夜の22時。

そろそろ彼女は仕事から帰宅し、部屋でくつろいでいる時間だ。

いつも今頃の時間がメールをよくする時間帯なのだが、

今日はいつもと違い、電話をかけた。


2~3回の呼び出し音の後、彼女が電話に出る。


『あ、こんばんわぁ~。取鳥さんですよね?』


「もしもし、どうも。あの・・・」



















第3話へつづく







さて、今回の電話の内容は?

例によって投票を受け付けます!!

締め切りは9/30までです!!

12時間以上の間を空ければ、

再度投票してもOKです!!



そしてまたトップが同数だった場合は・・・


その時また考えます(笑)


プロフィール

マッピー

Author:マッピー
マッピー著
『たまぁに本気でムラムラするブログの書き方』

1260円
フランス書院より
絶賛発売中!!

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