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『ロッキー』シリーズを語る⑧ 【クリード/炎の宿敵】

今回は『クリード/炎の宿敵』のお話です。

第8作目(クリードシリーズ2作目)
2018年
『クリード/炎の宿敵』
(原題:CREED Ⅱ)
監督:スティーヴン・ケイプルJr.
脚本:シルベスター・スタローン
   チェオ・ホダリ・コーカー



いよいよシリーズ最新作についてです。

前作の『クリード/チャンプを継ぐ男』は新鋭の若手監督、ライアン・クーグラーによるものでした。
今作では再びスタローンが脚本を手掛けています。

『ロッキー』シリーズで「やりたい事は全てやりきった」と語っていたスタローンでしたが、新たな世代が『クリード』という新章を誕生させた事で「やりたい事」が芽生えてきたのでしょう。
と言うより、『クリード』の物語を誕生させたのであれば避けては通れない因縁がありますので、これはスタローンでなくても「やらなきゃいけない物語」だったと言えます。
その因縁とはもちろん「ドラゴ」です。

主人公アドニスの父アポロは『ロッキー4』でドラゴと試合をして命を落としたのですから。


『ロッキー4/炎の友情』のレビューの時に書きましたが、『ロッキー4』は僕の中ではシリーズ最低評価の作品でした。
言ってみれば「ロッキーシリーズの黒歴史」です。
ただ、『ロッキー4』を単体として見るのではなく、シリーズ全てを通して「ロッキーの人生」と考えるならば、『ロッキー4』もまたロッキーの人生の中の1ページである、という見方もできます。

シリーズの中で一番、物語性の薄い『ロッキー4』ですが、それでも重要なポイントを挙げるなら

「ドラゴがアポロを殺した」
「ロッキーが敵討ちでドラゴに勝った」

この2点のみです。
それくらい見所の少ない駄作だった『ロッキー4』ですが、親友のアポロが死ぬというのはかなり大きな出来事ですので、できればもっと中身の濃い作品に作り上げて欲しかったという気持ちがありました。

つまり今作は、駄作だった『ロッキー4』の敗者復活戦という意味合いがあるのです。
駄作の中で「親友アポロの死」を描いてしまった過去の失敗をずっと後悔していたスタローンが、新たな若い世代が『クリード』というチャンスを与えてくれた事で今一度『ロッキー4』に物語性を付加させる事ができたというお話です。

そう考えると、今作の中のロッキーの立ち位置とよく似ているじゃないですか。



今作では『ロッキー4』の時にできなかった「物語性」をこれでもかというほど盛り込んでいます。

「アドニスとアポロの親子関係」
「アドニスとビアンカの結婚」
「アドニスに娘が生まれ父親になる」
「アドニスとロッキーの師弟(疑似親子)関係」
「ロッキーとドラゴの因縁」
「クリード親子とドラゴ親子の因縁」
「ドラゴ親子の復讐の人生」
「ロッキーとロバートの親子関係」

ざっと思いつくだけでもこれだけあるのですが、主に「親子関係」、さらに言えば「家族の物語」という言葉でまとめられます。
あまりに要素が多いと作品としてとっちらかってしまいがちですが、広いくくりで「家族」がテーマとなっているため、ストーリーは終始ブレずに進みます。


作品としての感想は先日書いたので、そうではない部分について語りたいと思います。

記事の冒頭で今作の監督、脚本の情報を載せましたが、今回の脚本はスタローンですが、完全にスタローン主導によるものでは無いのです。
共同脚本にチェオ・ホダリ・コーカー、監督はスティーヴン・ケイプルJr.となっています。
スタローンを否定するわけではないですが、若い世代にある程度任せた事が良かったと思います。
聞いた話では、スタローン脚本ではラストの決着はKO勝利の予定だったとのことでしたが、実際の決着はドラゴによるタオル投入エンドでした。
どう考えてもタオルエンドのほうがいいと思います。
最後タオルを投げる直前のドラゴの描写が特に良かった。
コーナーに追い詰められる息子を見る。
客席を振り返ると元妻はもういない。
また息子を見る。
リングの対角線上のロッキーを見て、ロッキーもその視線に気づく。
悲しそうな表情でリングに上がり、タオルを投げる。

アポロの試合の時にロッキーができなかった事を、あのドラゴが息子を助けるためにやったのです。

ボクシングを映像作品にするとして、普通に考えて一番盛り上がる結末はKOだと思いますが、今作に限ってはタオル投入エンドにした事が大正解だったと思います。
この終わり方こそが新しい世代に託した「新たなロッキー」だと思いますし、そして試合後にロッキーはリングに上がらず「もうお前の時代だ」と言って静かに見送る後ろ姿だけで、少し寂しい感じで終わるのもシリーズ初だったと思います。
過去作は全て試合後はテンションが上がる感じで、音楽的にも盛り上げて終わっていましたから。


なんか最後はスタローン脚本にダメ出しを言ったような感じになっちゃいましたが、基本的にスタローンの脚本は好きです。
ただどうしてもある程度の「古臭さ」は出てしまうので、その部分を今回のように若い空気で中和したのは良い判断だったと思います。

スタローンは頭のいい人なので、今回の若い人のアイデアを取り入れた事からも何かを学習しているはずです。
今後予定のある『ランボー5』などの出来が期待できます。


以上!
『ロッキー』シリーズについて、全8回に渡って語らせて頂きました!!

もう細かい事は言いません。

お前らとりあえず『ロッキー』を観ろ!

それだけです!!


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